2011年5月30日月曜日

名前探しの放課後(上)

辻村深月/講談社

キャラが多すぎるとおもうんだけどな…。それぞれ、「このキャラにしかできない」ものをもっているのは確かなんだけど、その比重がちいさすぎるというか。
設定が面白いとおもう。
ドライで、痛々しいかんじ。

泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部

酒見賢一/文芸春秋

「このくだり、読んだことあるな」とはところどころで思った。でもなにしろ厚いから、途中で挫折して最後まで読んでいないかもしれないので、最後まで読んだ。最後まで読んでわかったけど最後まで読んだことあった。ちくしょう!

思えば横山光輝の三国志を読むのは、途中で挫折したのであった。
横山光輝の描く劉備は、「このひとならやってくれそう!なにかを!」と期待をもって読んでいたのだが、「やってくれそう!」なまま敗北をくりかえすのに疲れて、「やってくれそうだけど、もうついてくの無理!」ってなったのでした。
あとは「天下一の策士」とか「天下一の武人」が多すぎだよ、とか…。(彩雲国物語もそうだった。中華もののお約束なのか?)

それにくらべると、劉備はぐだぐだで関張はアル中の野獣、諸葛夫妻が謎の発明をくりかえしてることなんて、朝飯前に納得できるというものだよね。むしろ戦に勝てないのも当然だよね、と、負け続けても焦らない。過大評価をしすぎないのは、自分のためってことだなぁ。

食糧棚

ジム・クレイス 訳:渡辺佐智江 白泉社

食べ物がからむ、執着や欲望のはなし。
内容に負けず劣らず、表紙がブラックでかっこいい。

ラズベリーのレアチーズケーキ

ラズベリーが甘酸っぱくて、土台は抹茶がほろにがで、つまりちょうおいしかった。

クシエルの矢/2 蜘蛛たちの宮廷

ジャクリーン・ケアリー 訳:和爾桃子/早川書房

なぜテールダンジュの神話は創作したのに、スカルディアは北欧神話(たぶん)なんだろう…

「努力せずに同じだけのものを欲しがるのはおかしい」っていうのは最もだけど、同じ大陸なのにこれだけ差があっちゃぁ、スカルディアが面白くないのもわかる気がするなぁ。なにしろあっちは天使の血をひいてるんだもんなぁ。てっきりふかしてるだけかとおもったら本当だったなんて。

そういえば主人公が冒頭で花上げしたけど、あれって売れっ子なら売れっ子ほどはやく自由になるってことでしょう?いくら公娼に寛大な国とはいえ、システムがゆるすぎじゃないだろうか…どうなんだろうか。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

原作/士郎正宗 監督/神山健治

異なる場所の複数の人間が、同時に思考を共有できる設定があったからこそ、あれだけ複雑な話をスピーディに展開できたんだろうなぁ。
前半の、無敵ともいえる活躍があったからこそ、権限や物資を失った後半の身動きのとれなさが、すごくもどかしくなった。そんなアップダウンの差で、目が離せなくなる。

ところでたちこまはとてもカワイイとおもいました。

リトルショップ・オブ・ホラーズ

ロジャー・コーマン/監督

最新技術を駆使した映画よりも、チープなB級ホラーのほうがこわい、という自分の持論を、証明してくれたとおもう。
うそ臭い映像がたまらない。ミュージカル仕立てなのも、狂気を感じさせるし。
セットとか、ヒロインの衣装が可愛かった。あの植物、草間ヤヨイが製作したら面白いのにな、ともおもった。

2011年5月16日月曜日

焼きなすのパスタ

これでもか、といわんばかりの薬味。
おいしいけど夏だけでいいと思った。

2011年5月15日日曜日

おなかが痛いと思いながら考えていたこと

最近のシルバニアはメルヘン志向というか、ピンクやら水色やらパステルカラーでまとめられていて、可愛いけどなんか違う…と思っていて、
なにが自分は気に入らないのかと考えていたのだけど要するに、
「ちいさいけどリアルなのがよかった」ということかなぁ。

雑誌ひとつまで丹念に作りこんであるリアルさによって、「シルバニア」は生活のある本物の村のような存在感を持っていて、だから物語を作るように遊ぶことができたのだと思う。
そして生活感にあふれた「本物っぽい」村は、家具がピンクでは作ることができない、ということじゃないかな。

もちろん、今のシルバニアがだめってことではなくて、むしろ楽しく遊べると思う。ただ、「ファンタジーとはリアルの積みかさねで出来ている」というのは、こういうことなんだろうな、と実感したのだった。
おなか痛いのは治った。

2011年5月14日土曜日

昇竜しだれ梅


二月ぐらいのことだけど、母が夢うつつにラジオで聞いた情報を頼りに梅を見にいった。
半信半疑でいたけど、ほんとうに梅園がありました。
そういえば、三渓園の梅は臥竜梅だった。臥せたり昇ったり、竜は大変。

2011年5月11日水曜日

数えずの井戸

京極夏彦/中央公論新社

読み進めるにつれてだんだんと小口が黒くなっていくつくりが、まるで井戸の底に近づいていくみたいだった。章題の、井戸の入り口を思わせる円も途中から、井戸から見上げる空に反転していくようで。

井戸から空を見あげているだけで幸せだったのに、大海を知ったとたん不幸になっていくひとたちのはなし、におもえた。

作中ではくりかえし、「たかが皿」と強調されている。そのたかが皿によって、人間関係が壊れていくことこそが、なによりも怪談的だなぁ。

ハイキュー!

古舘春一/集英社

そんなにホラー要素を入れたいか!スポーツものなのに!
前作だけじゃものたりなかったのか。ホラーの割にあんま怖くなかったもんな。
よく跳ぶほうの主人公がね、どうしても桜井さんちの末っ子(チョコミミ/集英社)にみえるんだなぁ。

2011年5月10日火曜日

わたなべとおるさんはつっこみがすごく冷静だなぁ。