桜庭一樹/講談社
あいかわらず、家族と狂気だった。家族というか、親子。
「私の男」の主人公は、「間違った家族の概念を獲得したふたり」で、これ以上どうしようもないままに完結していて、圧倒されたのだけど、
今回の「ファミリーポートレイト」は、「間違った家族の概念のまま」生きのびているひとりの物語だったから、いままでよりもっと猥雑で、暴力的で、絶望的で、壊れていて、
だからこそ純粋で、ボギャブラリがすくなくてうまくいえないけど、「ネガティブなポジティブ」な話で。
そこが、ああ、なるほど集大成なんだな…っておもわせた。いままで桜庭さんが描いてきた家族たちの、終着点としてふさわしいんじゃないかと。
なにしろ、コマコは生きてるし。
でもまだ理解できないところが多い。人生経験が足りないし、すごくエネルギーつかうよ、この本。
0 件のコメント:
コメントを投稿