京極夏彦/祥伝社
タイトルのフォントが、みごとに厭なかんじで、感心する。
ページをめくっていくと、「のど」のあたりに羽虫の死骸(の印刷)。厭だ。
ひとつひとつは我慢できるかもしれない、ちいさないやなことが、この一冊に凝縮されている。世のなかって、こんなにいやなことがたくさんあったんだなぁ、とおもう。
「もしかして、こうしていやなきもちを凝縮していくことによって、読者に蓄積された日常生活のストレスを昇華する試みか!?京極堂的ななにかで!」とかかんがえていたけど、全然ちがった。厭だ…
実際ありえないくらいにいやなことばっかりなので、逆になまなましくなく、客観的に読めたわけでもあるんだけど。
ひねった話がすきなので、「厭な扉」がよかった。あと、「厭な家」とか…。でもこの二篇はなんとなくSFぽいな。「厭な扉」は特に。
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