恩田陸/晶文社
……このなかで述べられる、「小川洋子の作品の幸福な上澄み」を、まさしく「夜のピクニック」で感じていたので、奇妙な感じ。
恩田陸の作品の底には、盛りを過ぎた大人の視線を感じる。些細な事件で価値観が揺らぐ、不安定な学生時代を経て、自分たちを冷静に分析する大人たち。
その上澄みにあるものが、「六番目の小夜子」であり「ネバーランド」であり、「夜のピクニック」なのだろう。
もし、恩田陸自身に社会人になった経歴がなければ、恩田陸のこの作風はうまれなかったのではないか、とおもっている。
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