2011年1月14日金曜日

ジェイン・エア(上)(下)

C・ブロンテ/小尾芙佐訳/光文社
「君のようなひとにはめぐりあったことがない(中略)君はわたしを悦ばせ、わたしを支配する――それに服従もするようだ、君のその柔軟さが好きだ。その柔らかな絹糸のかせをわたしの指に巻きつけるとそれはわたしの腕から心まで戦慄を伝えてくる。わたしは感化され――征服される。しかもその感化は、言葉では表現できぬほど快いものだ。わたしがこうむる敗北は、わたしにかちとれるいかなる勝利よりも魅力的だ。(略)」(下巻 P105)

……このひとたちは、すごいことばで恋をしていたのだな、ということががんがん伝わってきた。まるで真剣勝負のような緊張感。ロマンス小説なのに。
ロマンス小説なのにといえば、おもっていたよりキリスト教の影響がつよかったのが意外だった。ブロンテ姉妹が牧師の娘だと知って、納得。
キリスト教徒の小説は、「神の奇跡」という必殺技が使えるんだなぁ。                                                                                                             

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